木を見て 森を見る
- CHIEKO
- 2020年4月25日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年7月2日
「光を見て闇を見る」に続く
私たちは 時に
目の前で起きたことに 心捕われる
それが 初めてのことならなおさらだ
得体の知れないものへの 捕われは より 不安を抱き より 恐怖を作り出す
それを 排除するために
そこから 早く脱出するために
目の前に現れた
それに向かって 悪戦苦闘をする
解決が 長引けば長引くほど
不安と恐怖は 焦りを呼んで
執着は 一層 木へと向けられて 森を見ることを 忘れてしまう
かつての私が そうだった
10年前 光を見て闇を見た
あの日
上司と産業カウンセラーとの 出来事を封印し 闇の中へと 潜り込み
長い療養生活へと 安住していくことになった
あの後のことを 記してみよう
それから 3か月が経っていた
時間が経てば治ると思っていた 吐き気と目まいは 以前より 楽になってはいたものの
それほど 変わらないまま
寝たきりの状態が 続いていた
考えられる検査を すべて行っても
そこに 原因はなく
出された 薬は
副作用で症状を 悪化させたため
早いうちから 漢方薬に変えてもらい
医師の提案で カウンセリング治療を行っていた
医師の提案で カウンセリング治療を行っていた
一日も早く 吐き気と目まいから逃れたくて そこから早く 抜け出したくて
そればかり考えていた
これ以上
こんな状態が続くことは 耐えきれず
不安と恐怖 そして焦りは
日に日に 大きくなっていった
自宅療養を余儀なくされてから 約半年
3度目の カウンセリングの時のこと
こうした 心の状態を
そのままに 話しをすると
カウンセラーから こんな答えが返って来た
あなたは 心に風邪を引いているのです 風邪を引いたら 充分に休養をとるように あなたには 充分な心の休養が必要なのです と・・・
その言葉で ハッとした
その瞬間
それまでの半年間が 走馬灯のように駆け巡り
自分は これまで 心の休養を 充分に とっていなかったことに気がついた
吐き気と目まいを どうにかしたいとばかり 思い それが なかなか良くならないことに 苛立ちを覚え
これが いつまで続くのだろう 一生このままだったら どうしよう 私の人生は これからどうなるのだろう・・・ と
不安ばかりを 募らせていたのだ
これでは
充分な心の休養なんて できているはずもない
納得した その瞬間 すーっと 頭の上から光が射したように感じた
この時のことを 冷静に 今思う
かつての私は 突如 目の前に現れた 激しい 吐き気と目まい という
初めての症状(木)に 心を捕われ それを何とかしようとするばかりに そこに執着し
目の前にある症状(木)が その時のすべてに思え 不安や恐怖(森)から 二度と抜けられないのではと考えて
目の前にある 木(症状)が
大きな森(大きな不安)の中にある ほんの一本(一側面の症状)であることを
全く 見ることができなかったのだろう
カウンセラーに言われた一言が 症状(木)への執着を 解くことになり
今まで 見ることができなかった 森(不安や恐怖)を 認識することで
そこに 光が当たって来たのだろう
カウンセリングを受けた 翌日から
今までが何だったのか と思えるほどに まるで 何かの幻を見ていたかのように
半年以上続いた 吐き気と目まいは
2、3日の間に 収まって それは 次第になくなっていった
さて 再び
かつての私に 今日の社会状況を 重ねてみよう
コロナウィルスを 持ち込まないように
家へと籠り
他との接触を避けることで 以前よりはいいように 思えるけれど
それほど
変化が見られていないのでは ないだろうか
外へ出られない状態が 続くばかりか
検査 ワクチン 治療薬 一時的な助成金や給付金 ありとあらゆる 対策を投じても
混乱と調整で
すぐに 実施できそうもない状況に
一日も早く終息を
一日も早くそれらのものを と
誰もが 思えば思うほど
苛立ちは増し 焦りは募り 不安と恐怖も 強めることになっては いないだろうか
そして 今行っていることは
果たして本当に
真の問題解決に なっているのだろうか
目の前に現れた それにばかり意識が向いて
何かもっと 根本的な大事なことを 忘れては いないだろうか・・・
外出禁止も 飲食店の自粛もなかった スウェーデン ストックホルムでは
現在 コロナウイルスに対する 集団免疫力が 高まっている 兆しがあるとか
もしかしたら ストックホルムでは
コロナウイルスの状況(木)を見た時に 不安や恐れ(森)を 見ることも
忘れなかったのでは ないだろうか
そして もしかしたら 普段から
木(目の前の状況)を見て 森(心の中の状態)を見ることで
問題を本質的に解決する その術を 身に付けているのでは ないだろうか・・・
あれから 10年が経った 今
こうして ここに
心の平安を 続けていてられるのも
10年前の あの日があったおかげだ
そして
数年間にも渡り 心のあり方を学び
間違った 心の癖を直す
実践をしてきた おかげだ
そして何よりも
それに関わってくれた人 ここまで導いてくれたものたちの おかげだ
今のこの状況が
幸せな社会を創る 大きな一歩となるように 心から祈りつつ
引き続き 私の心(意識)を 変えていこう
そして
私に与えられた 「はたらき」に
心を 尽くしていこう

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